少林寺拳法について

 少林寺拳法とは、日本発祥の武道であり日本武道館認定の日本九大武道の1つです。後手必勝の護身術であり、「勇気」「慈悲心」「正義感」を養う「人づくり」のための武道です。少林寺拳法の武道とは「自分のためにも人のためにも、そして世の中のためにもなる道」であり、自分を守り弱者も守れるようになることを目的にしています。

 左図は、少林寺拳法のマークである「ソーエン」です。真ん中の白黒の円は力と愛を表し、それを四つの盾が守っている様子を表しています。

少林寺拳法の歴史

 少林寺拳法は、日本で宗道臣によって創始されました。宗道臣は日中戦争時、満州における大日本帝国軍直轄のスパイ機関である特務機関の軍人で、満州で特殊工作をしながら学んだ武術と武道家であった祖父から学んだ日本古来の武術を組み合わせた集大成が少林寺拳法です。      

 敗戦後、帰国した宗道臣は荒んだ祖国と日本民族を見て、再び日本を再興するのに人として優れた人材を武道を通じて育てる必要があると感じ、1947年、香川県多度津町で初めて少林寺拳法が開かれました。  

 それから70年以上たった今、世界中で愛される武道になりました。

少林寺拳法の技術体系

 少林寺拳法は、主に突きや蹴りに代表されるような直接打撃による「剛法」と、関節技や急所を攻める「柔法」の2種類あります。

 少林寺拳法の技は全て女性のような力のない方でも使えるようになっており、普段の練習では相手の体を痛めつけるような攻撃はしません。全て当て止めで、胴などを使ってケガなどないよう細心の注意を払って練習しています。

 男性はもちろん、女性からお年寄りまで楽しく部活に参加しています。

 

・仁王拳 上段攻防を中心とする拳系

・三合拳 手足による攻撃を手や足で防ぎ、反撃する。中段攻防を中心とする拳系

・天王拳 上段への突き連攻に対する基本攻防の拳系

・白蓮拳 受け手による素早い二段用法反撃を主体とする段攻防の拳系

・地王拳 蹴り攻撃から始まる速攻撃に対する基本攻防の拳系

・鶴立拳 受けた足での反撃を特徴とする拳系

・龍王拳 抜き手に攻防の技術組み合わせた拳系

・五花拳 剛柔一体の投げ技中心の拳系

・金剛拳 捕技、固め技の拳系

・羅漢拳 衣服を掴まれた攻撃への捕技、投げ技中心の拳系

 

少林寺拳法の練習法

①演武(単独、組、団体)

 少林寺拳法は、一つ一つの技を丁寧に習得しそれらを組み合わせて「演武」として発表します。一人で行う「単独演武」、二人で行う「組演武」、三人で行う「三人掛け」、6~8人で行う「団体演武」の四種類あります。大会では、技の正確性や表現力などで採点を行い、競い合います。

②運用法(乱捕り)

  演武のほかに、より実戦的な「運用法」があります。左の図のような防具をつけ、胴や顔への有効な突き、もしくは蹴りを入れた方にポイントが入ります。大会では、制限時間内に3ポイント先取した方が勝ちとなります。